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ニュース&トピックス

日本組織培養学会第88回大会にて学術発表

2015年5月14日

下記の要項にて学術発表を行います。


開催期間 2015年5月26日(火)、27日(水)
5月26日(火)にポスター発表を行います。
会場 広島大学 霞キャンパス内 広仁会館
演題 アテロコラーゲン3D培養担体におけるHepG2細胞の肝機能の亢進
(演題番号:P-13)
著者
(所属)
佐藤哲郎,勢村加容子,和田繭子,庭屋裕美,藤本一朗
(株式会社 高研 研究所)
要旨  一般的に,ヒト多能性幹細胞から分化誘導を経て作製した肝細胞は,初代培養肝細胞と比較して肝機能が未熟であることが課題である。このため,分化誘導を経て作製した肝細胞の機能的成熟を亢進する新たな培養法が求められている。 一方,生体適合性に優れたコラーゲンのテロペプチドを酵素的に除去した“アテロ”コラーゲンは低抗原性であることから,再生医療に適した素材である。そこで我々は,アテロコラーゲン由来の加工法・形状が異なる各種3D培養担体をもちいて,ヒト肝癌由来細胞株(HepG2)の肝機能を評価し,その有用性を示したのでここに報告する。
 3D培養群としてアテロコラーゲンを基材とするゲル上培養,スポンジ状に加工したハニカムおよび形状の異なるマイティーをもちいた。 ハニカムおよびマイティーの違いは,コラーゲンの架橋法,ポアサイズおよび強度であり,どちらもアテロコラーゲンスポンジ担体である。
 今回の報告では,各担体においてHepG2細胞を21日間培養し,7日ごとにアルブミン分泌量(ELISA)および肝機能関連遺伝子発現(qRT-PCR)を評価した。
  1. EGFPを強制発現させたHepG2細胞をもちいて3D培養担体における均一な細胞接着を確認した。
  2. アルブミン分泌量を評価した結果,コラーゲンコート培養と比較して,3D培養群においてアルブミン分泌機能の亢進が認められた。
  3. qRT-PCRにより肝機能関連の17遺伝子の発現をコラーゲンコート培養群と比較した結果,コラーゲンゲル群およびハニカム群において17遺伝子全てに発現増加が認められた。各担体において特に発現が増加した遺伝子は,コラーゲンゲル群ではCYP1A2およびGSTA1/2,ハニカム群はCYP7A1およびGSTA1/2であった。
  4. マイティー群はCYP1A2およびCYP2D6などの遺伝子発現は増加したが,一部のCYP450遺伝子およびUGT1A1の発現は減少していた。
 以上より,アテロコラーゲン3D培養担体は肝機能の亢進に有用であり,同一素材においても培養担体の加工法・形状の違いにより肝機能が変動することが示唆された。今後,ヒト多能性幹細胞においてアテロコラーゲン3D培養担体が肝機能を亢進するかを検証していく。


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